ぼちぼちメモ

F1等の趣味や日常生活での気軽なメモです。小説や詩をまとめた「コトゴトの散文」というブログもやっています。「月の砂漠のかぐや姫」という長編物語も連載中です。

【演劇】続々 劇団FUKKENの「Black Berry」を観てきました

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 みなさん、こんばんは。くにんです。

 今日は冬至ですね。この冬は今のところ暖かいのですが、例年、冬至を過ぎたあたりから寒さが厳しくなってきますし、そろそろ真冬入りですかね。

 

 さて、

劇団FUKKEN第3回公演「Black Berry」(作・演出 腹筋善之助)

を、観に行きました! の三回目です。

 

 前回、前々回の記事はこちら 

www.bochibochimemo.com

 www.bochibochimemo.com

 

 

 今回も「くにんの個人的なBlack Berryの感想」です。この先ネタバレがありますので、DVD等で後ほど観劇のご予定がある方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 舞台の感想を書く前に、最小限のあらすじを共有したいと思います。

・舞台は寒さが厳しい北の街。貧しく行き場のない子供たちは、ストリート・チルドレンならぬマンホール・チルドレンとなって暮らしている。路上で夜を明かせば凍死してしまうが、道路凍結防止のため温水暖房設備が走っているので、マンホールの下、下水配管の中は、暖かいのだ。

 

・主人公サムソンは両親に暴力を振るわれ視力を失っている。そのサムソンを、兄であるドンが家から連れ出して、自分が属するマンホール・チルドレンのチーム「グレー」に加えようとする。

 

・チーム「グレー」の先輩たちはサムソンを受け入れない。ドンや仲間たちは独立してチーム「ブラック」を立ち上げる。

 

・チーム「ブラック」には、様々な子供たちが参加するが、それぞれが複雑な事情、悲しい過去を持っている。皆は自分で決めたあだ名で呼びあっている。

 

・物知りのハカセが「ブラックベリーという食べ物がとても目に良い」という記事を見つける。それがバイカル湖にあると知ったメンバーは、目が見えないサムソンのために、身体が強いものたちで買いに行くことを決める。

 

・「どうして僕にそんなに良くしてくれるの」と問うサムソン。皆は「自分が大切にされなかったから、誰かを大切にしたい」と答える。

 

・バイカル湖へ向かうメンバーとマンホールに残るメンバーに分かれる。バイカル湖に向かうメンバーは、想像以上の厳しい自然環境に襲われることになる。出発した仲間を心配するマンホールに残ったメンバーに、サムソンは心の目で見た仲間の姿を伝えて安心させる。

 

・マンホールに大人たちとチーム「グレー」の襲撃がある。女の子たちだけのチーム「ホワイト」により、マンホールチルドレンを利用した臓器売買計画をつぶされた大人たちが、チーム「グレー」と組んで、チーム「ブラック」を襲ってきたのだ。

 

・マンホールのふたを閉めて籠城するチーム「ブラック」のメンバー。しかし、大人たちは卑劣な手段を用いてきた。下水の流量をあげて、彼らを押し流そうとしてきたのだ。

 

・マンホールのステップを握り何とか耐え抜こうとする子供たち。しかし、一人一人と力尽きていく。ついには、ハカセを助けたサムソンまでもが、下水の流れの中へ消えていく。

 

・バイカル湖からマンホールに戻った買い出し部隊。厳しい自然のために、犠牲者が出ていた。その彼らを迎えた子供たちにも、大人たちの策略のために、犠牲者が出ていたのだった。

 

・悲嘆にくれる子供たちの中でドンは立ち上がる。「自分たちを守るためには力が必要なんだ」 そして、もう一人、立ち上がる者がある。プリンセスだ。「食べるものがないために、力が出せずに命が失われた。もっと、食べ物が必要だ」 チーム「ブラック」から分かれてそれぞれの道を行こうとする二人を、リーダーは止めることができなかった。

 

 

 

感想でございます。

・映画には、コメディーやミステリー、恋愛ものに悲劇ものなど、いろいろなジャンルがあります。この「Black Berry」をジャンル分けするとすれば、「愛をテーマにした作品のところどころに笑いをちりばめたもの」になるかと思います。

 「厳しい社会環境の中で子供たちが見せる愛」、そして、「子供たちをそこに追い込んでしまう社会環境」を中心にして劇を作れば、非常に重たい作品になります。それを目指すならば、勿論、それで一つの作品としてアリなのですが、本作はそこに振り切ったキャラクター(たとえば、自分の辮髪でそりを引っ張るベンパツ)や、アドリブタイムでのギャグなどを加えて、観客を引き付ける要素を加えています。

 この「テーマ性」(ストーリ性)と「エンターテインメント性」の配分には、劇団の個性が現われます。映画と違って、上演期間が短い上に作品情報が少ないのが演劇です。劇団の個性とフライヤーなどから、自分の好みに合う作品を探さなければいけないのが難しいところです。(僕も、高校生の娘を初めて演劇に連れて行ったところ、予想していたよりもエンタメ性が低くストーリー性が高い作品で、退屈させてしまった経験があります)

 

・単なる演劇好きのくにんの個人的な感想ですが、リーダー役の大西俊樹さん、サムソン役のジャングルジャムさんが、特に上手だったと思いました。

 

・チララとキララというキャラクターがいるのですが、彼女たちが結合双生児だと思った僕に対して、友人は多重人格者だと思ったとのことでした。実際の設定はどっちなんでしょう(・・?)

 

・最終盤、「子供たちがマンホールのステップに、腕の力だけで掴まっている。だから、力尽きた子は流されたんだ」と理解したのですが、通常のマンホールははしご状のステップになっていて、足もかけられるんじゃないかなぁ、と。いえ、いいんですけど。おほほほ(^-^;

 

・本作の最後まで、サムソンは自分の綽名を決めませんでした。ここに何か仕掛け(伏線)がある・・・・・・と思うのですが、それが回収されるであろう第三部「マンホール・ロケット」は・・・・・・(´;ω;`)ウゥゥ

 

・この「Black Berry」は三部作の第二部に当たる作品ですが・・・・・・。これ単独でも十分楽しめました。でも、やっぱりこのラストは、先の展開が気になりますよねぇ。(^-^;

 実は、劇団FUKKENのHPを見ますと・・・・・・。第三部に当たる「マンホール・ロケット」は2018年1月に腹筋善之介演劇研究会(現「FUKKEN])で上演されているのです!! 

kusokagaku.jimdofree.com

 

 しかも「マンホール・ロケット」は劇団IQ5000でも、上演されておりました。( ゚Д゚)

iq5000.com

 

 ちなみに「マンホール・ロケット」は、本作「black Berry」の2年後が舞台となっているとのことです。

 

 さらに、第一部に当たる「WHITE FLOWER」ですが・・・・・・、2018年11月に東京で上演されておりました。( ;∀;) (本作でもちらっと触れられた、チーム「ホワイト」の話と思われます)

iq5000.com

 

 

・三部作の第二部だけを見てしまいましたよ・・・・・・。劇団の中には上演作のDVDを発売しているところもあるようですが、ミュージカル映画の様に「それ用」に演出したものならいざ知らず、ただ単に舞台を録画した演劇と、客席で見たそれは大きく異なりますし、そもそも、「WHITE FLOWER」と「マンホール・ロケット」は、DVD化されていないようですし・・・・・・。

 「WHITE FLOWER」と「マンホール・ロケット」、果たして、僕は見る機会があるんでしょうか。腹筋さん、再演される場合は、是非関西でお願いします!!(>_<)

 

 

 

 えーと、あと一回だけ。

 おまけ的な話「くにんが今までに見た中で、一番好きな作品」に続きます。

 皆さま、本格的な寒さ到来で体調を崩すことのありませんように。