ぼちぼちメモ

F1等の趣味や日常生活での気軽なメモです。小説や詩をまとめた「コトゴトの散文」というブログもやっています。「月の砂漠のかぐや姫」という長編物語も連載中です。

僕が「これは! と思う本 三冊」 (おっさんず オフ会 での話題です)

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(写真はKONMA08さんのブログからお借りしました)

 

 みなさん、こんにちは。くにんです。

 

 学生の方は、もうすぐ夏休みですね。いや、もう夏休み中の方も、いらっしゃるのかも。社会人の方も、夏休み(お盆休み)が近づいていますが、今年は、GWの10連休のインパクトが強すぎて、あまり「長期休暇」って感じがしないかもですね。(^-^;

 

 先日(6月28日)、「おっさんずオフ会 in 関西」に参加しました! 前回のオフ会のメンバーに加えて、本気で本さん:(id:honkidehon)、明読斎さん:(id:tanisuke1234)  のお二人が参加されました。お二人とも以前からブログ上では仲良くさせていただいている方なのですが、実際にお会いするのは初めてでした。

 前回のオフ会の記事はこちらです。

 

www.bochibochimemo.com

 

 実に楽しいオフ会でした!! オフ会の様子は皆さまのブログですでに紹介されていますのでそちらを参照していただくこととして(笑)、今回は、本さんとのお話で出た「自分が今まで読んできた本の中で、「コレは!」という本三つ」のお話をこちら「ぼちぼちメモ」で、明さんとのお話で出た「小説を書くときに一番大事だと思うこと」と「自分の小説の書き方」を「コトゴトの散文」で書きたいと思います。

https://www.kotogotono.com/

 

 

 僕の今まで読んできた本で、自分の基礎となっている本、とても大切な本を、三冊上げるとすれば、まずは、

「ツバメ号とアマゾン号」シリーズ (著 アーサー・ランサム 岩波少年文庫)

 これは以前に、ご紹介していますね。 

www.bochibochimemo.com

 

 

 そして、

「So What?」(著 わかつき めぐみ 白泉社文庫)

 これも以前に、ご紹介しています。コミックスです。 

www.bochibochimemo.com

 

 

 最後に、

「ノーライフキング」(著 いとう せいこう 河出文庫)

 こちらは初めて、ご紹介いたします。

<内容>(「BOOK」データベースより

小学生の間で空前のブームとなっているゲームソフト「ライフキング」。ある日、そのソフトを巡る不思議な噂が子供たちの情報網を流れ始めた。呪われた世界を救うため、学校で、塾で、子供たちの戦いが始まる。そして最後に彼らが見た「キング」の正体とは?

 

ノーライフキング (河出文庫)

ノーライフキング (河出文庫)

 

 

 初出が1988年の本作は、ファミリーコンピュター(通称:ファミコン)が圧倒的に流行った時代を背景としたものです。当時のゲームソフトには、よく「バグ」(プログラムミス)があり、それを利用した裏技が、ゲーム雑誌などで共有されていました。今でこそ、オンラインゲームという「共有する異世界」が存在していますが、子供たちの間に「共有する異世界」という概念がもたらされたのは、この頃が初めてなのかもしれません。

 

 ネタバレになるので多くは語りませんが、本作で主人公が経験する感覚は、僕の創作のテーマ、「存在と認識」そのものです。

 

 本には、そして本のテーマには、「不変のもの」、「普遍的なもの」、「時代を超えるもの」、「同時代性の強いもの」と様々なものがあると思います。

 本作のテーマ、「存在、リアルとは」は、人が成長する過程で出会う普遍的で不変のテーマですが、これを、コンピューターゲーム、それもファミリーコンピューター程度(失礼)の性能のゲームが流行っている社会、という同時代性の強い舞台で、表現されています。

 この本は、時代を超えても人々に訴える力を持つ本ではありますが、それを同時代の人間として読むことが出来た幸運を、僕は感謝せずにはいられません。

 

 ところで、いとうせいこうの作品では「想像ラジオ」が、直木賞候補になっています。この「想像ラジオ」は本作のずいぶん後に書かれた作品ですが、僕はこれを読んだ時に「ああ、いとうさんの書くテーマは、ノーライフキングの時から変わってないんだなぁ」と、嬉しくなりました。

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

 

 

 

 

おまけ

 本さんとの話の中で、「もっとも夢中になって読んだ本」として、

「レ・ミゼラブル」(著 ヴィクトル ユーゴー 新潮文庫)

を挙げさせていただきました。

 

レ・ミゼラブル(一)(新潮文庫)

レ・ミゼラブル(一)(新潮文庫)

 

 

 「ジャン・バルジャンが、パンを盗んで19年間投獄された話」とか、「司祭が、燭台を盗もうとしたジャン・バルジャンを見逃す話」などと、断片的にご存知の方は多いと思います。なんだか、良い話、あるいは、可哀そうな話、というイメージがあるかもしれません。

 

 しかし、本作は「とんでもなくおもしろい大河小説」です!! 長い話故に、抄訳が伝わっていると思いますが、フランス革命の動乱時期を背景に、前半はジャン・バルジャン、後半はマリウスを中心に、様々な人間がいろんな絵図を描く歴史物語です。是非完訳をお手に取ることをお勧めします。あ、あと、簡単でいいので、ナポレオンとフランス革命あたりの動きを知っておくと、愉しさ倍増でございます。