3月も終わりに近づき、卒業と入学のシーズンである。
ふと、懐かしいCMを思いだした。
こどもが「将来の夢は?」と尋ねられて「長生き」と答える。そこへタイミングよくボールが飛んできてドーンとあたって・・・・おっととーのおっとっと♪
こどもの夢が「長生き」なんて、フフフ、と和ませておいてからの落ちである。落ちが用意してあるところから、このこどもの受け答えもシナリオっぽいが、よくよく考えてみると意味のある言葉だ。
こどもの夢=将来なりたい職業というのが定番だ。長生きという返事は、将来なりたい職業が決まっていなくておぼこい(かわいい)な、と和ませるシナリオだが、この言葉はこどもが今の生活を全肯定している言葉だとも受け取れる。
つまり、CMを見る限り、生命の危機に瀕しているようではないので、生存欲求としての「長生き」ではなく、現状が幸せなのでそれが長く続いてほしいという無意識の願いの発露としての「長生き」と考えられるのだ。
新春に小学校に入学する新1年生のこどもたち。
なりたい職業は成長するに連れて変わる。だが、こどもから大人になっても、変わることなく「長生き」を夢として持ち続けられる人生であってほしい、とおじさんは願う。