みなさん、こんばんは。くにんです。
秋も深まってまいりました。食欲の秋。読書の秋。そして、文化の秋。
文化の日の11月3日に、神戸大学演劇研究会はちの巣座の公演「トロワグロ」を見に行ってきました。ネタばれにならないように、最終公演日の4日に投稿します。
「はちの巣座」さんは、上記の通り神戸大学の演劇研究会で35年以上の歴史があり、僕が追いかけていた「惑星ピスタチオ」という劇団のメンバーの出身劇団とのことです。
(☟はちの巣座さんHPへのリンクです)
先日観劇した、四人に朽無しさんの「バイトする人たち 出勤三日目」に際にもらったフライヤーを見て、「おお、これは一度見てみないと!」と思った次第です。(^-^;
小劇団同士の横のつながりがあって、講演に行くと他の劇団の次回公演のフライヤー(チラシ)をたくさんもらうんですよね、その数ある劇団の中から、自分の好みに合う劇団を探すのも、楽しみの一つですね。
神戸大学は六甲山の麓にありまして・・・・・・近くを流れる川には、六甲山から降りてきたイノシシが散歩しているほどの、自然が豊かなところです。会場となったのは、神戸大学シアターD300でした。割と広い会館でしたが、お客さんで満員となっていました。11月1日から4日までの4日間で5公演と、公演数も多かったですし、かなり動員力のある学生劇団なんでしょうか。
さて、以下は、くにんの個人的感想でございます。あしからずご了承ください。
「トロワグロ」とはTrois Grotesques。フライヤーには「人間の欲と本性が交差する90分」との煽り文句があります。四人に朽無しさんの「バイトする人たち」は喜劇でしたが、今回は人間の感情をテーマにした群像劇でした。
ホームパーティーの後で、返るタイミングを失った人たちと主催者が、テラスで見せる様々な顔。社交辞令の陰にひそめていた本音が表に浮かび上がった時に、人間の持つグロテスクな部分が浮かび上がる‥‥‥。
幕が開いた当初は、演者の方も少し硬い様子でしたし、状況説明が一通り終わるまでは、少々わかりづらかった部分もありましたが、中盤以降はとてもテンポが良くなり、登場人物の心情(何に引っかかり、何に怒り、隠されたどんな面を見せるのか)も理解しやすくなりました。演者の方はどなたもとても上手だったと思います。特に中盤以降の志賀びわ子さんは良かったです。
また、フライヤーに書かれていた「‥‥‥片腕を、一晩お貸ししてもいいわ」というフレーズが、「片腕」が、上手く話の軸となっているところには感心させられました。
一方で、人間のグロテスクさを表現するのであれば、もう少しそれを強調しても良いのかなと思いました。演出の方が「リアルの追求」を目指したということなので、これでもいいのかも知れませんが、キツイ言い方をすれば「いろんなところから「あるある」を集めてきた」構成、と言えなくもないです。グロテスクを強調すれば、多分誰か登場人物一人に焦点を絞ることになりますが、それによって話の印象ももっと強くなるのではないかと思いました。
今回は喜劇ではなくリアルさを追求した劇で、わざと笑いを取りに行った場面はほとんどありませんでした。もちろん、テーマの表現を追及してつくった演劇ではそれで良いですし、一方で重いテーマでも、わざと笑いを取る場面を作ることもありだと思います。
登場人物が見せる「グロテスクさ」が、真剣であるがゆえに滑稽に見えたのか、観客席から笑いが起きる場面もありました。これは滑稽に見えることを狙ったものか、それとも見えてしまったのかも気になるところです。
などと、個人的な感想を述べましたが、見終わった後の僕の第一声は「面白かった」でした。90分間、とても楽しい(有意義な)時間を過ごすことが出来ました。はちの巣座のみなさんにはとても感謝しております。
はちの巣座さんは、年4回の公演を中心とした活動をされています。
次回公演は、2018年度卒業公演「バット男」 12月13日(木)から12月16日(日)まで 神戸大学シアターD300 で上演予定とのことです。
「バット男」どんな話なんでしょうね、気になります!
おまけ。
当日は非常に良い天気でしたので、公演終了後、散歩がてら川沿いを歩いていると、イノシシに遭遇しました。砂防ダムに入り込んでいたけど、山に帰れたのだろうか(^-^;